症状
赤くかさかさとしてかゆみをともなう湿疹が頭皮、おでこ、鼻のまわり、耳や首、わき、上背部や上胸口など脂漏部位にみられます。
臍、乳房下部や陰部にも症状がみられることがあります。
頭部に発症した場合は頭皮がかゆい、ふけがでるとの訴えで受診されることが多いです。
原因
皮脂の過酸化脂質などの分解産物により皮膚が刺激され皮膚炎を起こすと考えられています。
真菌(カビ)の一種で脂性環境を好むマラセチアが皮脂を分解して、菌の産生する酵素や誘導された炎症起因物質が、皮膚を刺激して皮膚炎を起こすのも原因や悪化因子になると考えられています。
検査
皮膚症状で診断しますが、白癬やカンジダなどの真菌感染症との鑑別のため顕微鏡で拡大してカビの有無を調べます。
治療
成人の脂漏性皮膚炎は症状を繰り返して経過が長くなることが多いので、生活習慣にも注意して根気よく治療していきましょう。
外用剤
- 炎症をおさえるステロイド外用薬を使用します。
- 抗真菌剤であるケトコナゾール外用薬を使用します。
- ケトコナゾール配合の洗顔料が市販されており、ホームケアとして有用です。
内服薬
- かゆみが強い場合は抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服をします。
- 皮脂分泌のコントロールのためビタミンB剤の内服をする場合があります。
注意点
頭皮は刺激のない洗髪料で洗い、清潔にするようにしましょう。
ふけを落とそうとして一生懸命こすると刺激でよけいに炎症をおこしてしまいます。ふけは皮膚の炎症が治まるとでなくなります。お薬をきちんと塗るようにしてください。
顔に脂漏性皮膚炎がある方は1日2回朝晩石鹸で洗顔するようにします。石鹸をよく泡立ててゴシゴシこすらないように気をつけてそっと洗ってください。
油っこい食事やアルコールを過剰にとらないようにして、バランスよく食べるようにしましょう。睡眠不足やストレスは避け、十分に休養をとるようにしましょう。